アパート購入費用はいくら? アパート経営の費用と注意点を徹底解剖

2024.07.16

「安定した収入を得たい」「老後資金を増やしたい」などの理由で、アパート経営を検討されている方の中には、費用面の心配をされている方も多いのではないでしょうか。

アパート経営は物件の購入時だけでなく、経営中にもさまざまな費用が発生します。得られた家賃収入がすべて売主の手元に残るわけではないため、アパート経営を始める前にどのような費用が発生するのかを知っておく必要があります。

今回はアパート経営にかかる費用や税金の種類と、資金計画を立てる際の注意点について詳しく解説します。これからアパート経営を始めようとしている方は必見の内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

アパート購入にかかる費用

アパートなどの収益物件を購入する際、物件の購入代金以外にも費用がかかります。

アパート購入時の不動産仲介手数料

中古アパートや、アパートを建てるための土地を購入する際、仲介に入った不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。

仲介手数料は不動産会社に対する、成果報酬の意味合いを持つ費用です。不動産売買契約が成立した時点で発生します。

仲介手数料の上限は「物件価格(400万円超の場合)×3%+ 6万円+消費税」と定められています。例えば3,000万円の物件であれば、1回の取引につき96万円+消費税が仲介手数料の上限額ということです。

ただしこれはあくまでも上限額であり、上限額を超えない範囲であれば、不動産会社と売主の間で自由に金額を決められます。

アパート購入時の司法書士の報酬

アパートを新築すると所有権保存登記、中古アパートを購入すると所有権移転登記、金融機関から融資を受ける際に抵当権設定登記など、アパートの権利に関する登記手続きをする必要があります。

登記手続きはアパートの所有者自身が法務局に出向いて行うこともできますが、提出書類の作成から申請までの手続きを、司法書士に一括で依頼することも可能です。

司法書士へ支払う報酬は、登記の種類や物件の価格などによっても異なります。目安としては所有権移転登記の場合で30,000〜90,000円、所有権保存登記の場合で15,000〜50,000円程度が相場です。

アパート購入時のアパートローン関連費用

購入時に金融機関からの融資を受ける場合は、アパートローン契約のための費用が発生します。

アパートローンというのは、アパート経営を目的として物件を購入する際に利用する不動産投資ローンのことです。

不動産購入時に利用するローンとしてよく知られているのは住宅ローンですが、住宅ローンは債務者自身が住む住居を購入する場合にしか利用できません。

それに対して収益物件を対象としたアパートローンは、住宅ローンと比較して審査が厳しく、金利も比較的高く設定される傾向にあります。審査項目が多いため、住宅ローンよりも融資を受けるハードルは高いと言えるでしょう。

アパート購入時の事務手数料

アパートローンを利用する際には、金融機関が個別に定める事務手数料が発生します。

事務手数料の金額は利用する金融機関によっても異なりますが、定額制の場合は3~6万円程度、定率制の場合は借入額の1〜3%程度で設定されるのが一般的です。

例えば3,000万円のアパートをフルローンで購入する場合、アパートローンの事務手数料は30万〜90万円かかる計算です。一方で、アパートを購入する際に頭金を準備しておくと、ローンでの借入金額を少なくできるため、事務手数料を抑えることも可能です。

物件の価格によっては数十万円〜数百万円に及ぶこともあるため、頭金の重要性は理解しておく必要があります。アパート購入時の資金計画や頭金に関しては、後の章で詳しく解説します。

アパート購入時のローン保証料

アパートローンで融資を受けるためには、保証会社に対して支払うローン保証料も必要です。

アパートローンにおける保証会社というのは、万が一債務者が月々の返済を滞納した場合に、一時的に返済を建て替えてくれる機関のことを指します。ローン契約時に支払う保証料は、保証会社が返済分を建て替える際の原資に充てられます。

保証料の金額は、ローンを組む金融機関や利用する保証会社によっても異なりますが、借入金額の1〜2%程度が相場です。3,000万円の物件を購入する場合は、30万〜60万円の保証料が必要ということです。

アパートローン(不動産投資ローン)の基礎知識や利用方法などは、以下の記事で解説しています。

アパートローンを上手に利用するコツと注意点|住宅ローンとの違いは?

不動産投資ローンと住宅ローンの違い!審査基準や注意点を徹底解説

アパート購入時の火災保険・地震保険料

アパートを購入したら、火災保険や地震保険に必ず加入するようにします。金融機関によってはアパートローン契約の際に、火災保険加入が義務付けられているものもあります。

火災保険は、火災や自然災害などによって損害を受けたアパートや家財を補償してくれる保険です。地震保険は、地震や津波によって発生した火災や損害に対して、補償金が支払われるというものです。地震保険は単体で加入できず、原則として火災保険に自動付帯になっています。

アパート一棟を購入した場合の保険料は、構造や補償範囲によっても変動します。保険料は1年ごとに支払うこともできますが、長期にわたって運用する場合は、数年分まとめて加入すると割引になります。物件を購入した際に、まとめて支払う必要があるという点も押さえておきましょう。

アパート購入にかかる税金

アパートの購入には、上記で解説した諸費用に加えてさまざまな税金がかかります。主に押さえておくべきなのは、登録免許税、印紙税、不動産取得税の3つです。

アパート購入時の登録免許税

登録免許税というのは、購入した土地や建物の登記を申請する際にかかる税金のことを指します。

登録免許税がかかる登記手続きは、不動産登記簿の権利部に対して行う下記の3つです。

・所有権保存登記(新築のとき)
・所有権移転登記(中古のとき)
・抵当権設定登記(アパートローンを利用するとき)

登録免許税の税額は、購入する物件が中古なのか新築なのかによっても変動し、物件の課税標準に税率をかけて算出するのが原則とされています。

なお、建物を新築した際に不動産登記簿の表題部に対して行う表示登記は、法律上義務とされているため、登録免許税は非課税です。

アパート購入時の印紙税

アパートを購入する際にかかる印紙税は、不動産売買契約書や金銭消費貸借契約書(アパートローンの契約書)に貼り付ける印紙の代金のことを指します。

印紙税は取引価格によって変動し、国税庁によって下記のように定められています。なお、2027年3月31日までに作成される売買契約書・アパートローン契約書に関しては、下記の表の軽減税率が適用されます(2024年2月時点)。

契約金額本則税率軽減税率
10万円を超え50万円以下のもの400円200円
50万円を超え100万円以下のもの1千円500円
100万円を超え500万円以下のもの2千円1千円
500万円を超え1千万円以下のもの1万円5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの2万円1万円
5千万円を超え1億円以下のもの6万円3万円

出典:国土交通省『不動産売買契約書の印紙税の軽減措置』工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の延長(印紙税)

アパート購入時の不動産取得税

アパートを購入した際に課せられる税金のなかでも、特に金額が大きいのが不動産取得税です。

不動産取得税はアパート購入後に一度だけ支払いの義務が生じるもので、購入後に届く納付通知書で納税します。

不動産取得税の税額は、下記の計算式で算出します。

取得した不動産の価格(課税標準額)×税率

税率は土地・建物のいずれも4%です。ただし、2008年4月1日から2024年3月31日までに取得した土地または家屋に関しては、軽減税率3%が適用されます。また、2027年3月31日までに取得した土地に関しては、課税標準額が2分の1になります。

出典:国土交通省『令和6年度国土交通省税制改正概要』土地等に係る不動産取得税の特例措置の延長(不動産取得税)

アパート経営にかかる費用

アパート経営にかかる費用の一部は、会計上経費として認められ、不動産所得を算出する際に家賃収入から差し引くことが可能です。どのような費用が経費として認められるのか、以下で詳しく解説します。

アパートの減価償却費

アパートの購入にかかった費用は、購入した年に一括で費用計上するのではなく、建物の法定耐用年数で分割したうえで毎年の経費として計上します。この1年分の経費として計上する費用が減価償却費です。

減価償却費の計算に用いる法定耐用年数は、建物の構造ごとに国税庁によって定められています。

法定耐用年数(住宅用の場合)

木造22年
軽量鉄骨造(3mm超4mm以下)27年
重量鉄骨造(4mm超)34年
SRC造・RC造47年

出典:国税庁『耐用年数(建物/建物附属設備)』

例えば建物部分3,000万円のアパートを新築で購入した場合、毎年計上できる減価償却費は下記のように求められます。

3,000万円÷22年(木造)=約136万円

実際の計算ではアパート自体の価格のほか、アパートの設備も減価償却の対象となります。
なお、減価償却は年月の経過により資産価値が減少する建物のみが対象で、土地は減価償却を行わないため注意しましょう。

アパートの共用部の光熱水費

アパートの共用部分で使用する電気や水道の料金は、アパート経営の経費として計上可能です。

共用部の光熱水費には、具体的には下記のようなものがあります。

・玄関や廊下などの電灯の電気代
・オートロックドアやエレベーターの電気代
・清掃用の水道代

共用部で発生する光熱水費は、アパートの規模や戸数によって幅がありますが、ひと月あたり数千円から数万円程度が相場です。

アパートの管理委託手数料

アパート経営になくてはならいのが、賃貸管理会社への管理委託手数料です。

賃貸管理会社は入居者管理と建物管理の2つの側面から、オーナーのアパート経営をサポートしてくれるパートナー的存在です。

具体的な業務内容としては、入居者管理では入居者募集(リーシング)・契約業務・トラブル対応・家賃回収・退去手続きなど、建物管理では日常清掃・定期点検・大規模修繕の計画作成などです。

入居者募集に関しては、賃貸管理会社以外の不動産仲介会社に依頼することもあります。

管理委託手数料の金額は、賃料の3〜8%程度が相場ですが、委託する業務の範囲や契約内容によっても変動します。入居者管理のみ・建物管理のみを委託したり、それぞれ異なる会社に委託したりするケースもあります。

▼参考コラム
賃貸管理会社の選定基準は手数料の安さか、収益性を高める管理か

しかし一つの賃貸管理会社に入居者管理・建物管理の両方を依頼すると、窓口が一つに集約されてやりとりの手間が減るだけでなく、適切な空室対策を行える可能性が高まります。

どの賃貸管理会社に委託するかによって、毎月かかる費用や物件の収益性も変化します。また適切な空室対策を行ってくれる賃貸管理会社を選ぶことも、アパート経営を成功に導くためには重要です。

賃貸経営において重要な『4つの空室対策』については、下記で詳しく解説しています。

空室の原因を解決する『4つの空室対策』とは?14種類の手法を徹底解説!

また、下記のページでは、空室対策に欠かせないテナント誘致の基礎知識や成功方法についてご紹介していますので、併せてご活用ください。

【入門編】テナント誘致の基礎知識や誘致方法、成功のポイントを解説

アパートローンの利息

アパート購入時に組んだローンにかかる金利も、アパート経営の経費として計上できます。

重要なのは、経費計上できるのは毎月の返済額のうちの利息部分のみで、元本部分は経費扱いにならないという点です。例えば、毎月の返済額10万円のうち、元本返済額が8万円・金利部分が2万円だった場合、金利部分の2万円だけが経費として計上できるということです。

不動産所得を給与所得・事業所得などほか他の所得と損益通算をすることがありますが、不動産所得が赤字となった場合、土地の借入金に対する利息については、損益通算から除外するというルールがあります。

アパートの修繕費

アパートを修繕した際に発生した費用は、修繕費として経費計上が可能です。具体的には、入居者が退去したあとのクリーニング代や原状回復費用(オーナー様負担分)、建物や設備の補修・修繕費用が対象です。

アパートは気づかないうちに、見えない部分の老朽化が進んでいることもあります。建物の耐久性を維持するためにも、定期的なメンテナンスが必要です。

▼参考コラム
【事例付】アパート経営に必要な工事と実施時期!工事の依頼先と注意点

賃貸経営においては、アパートが適切にメンテナンス・修繕されているかが、入居率の維持に直結するものです。適切なメンテナンスがされたアパートは、ある程度築年数が経過しても清潔な印象を与え、新しい入居者がつきやすくなります。

建物管理の重要性については、下記の記事をご参照ください。

▼参考コラム
賃貸物件のメンテナンスを解説!賃料と空室改善に寄与する建物管理

また、建物全体を対象とした大規模修繕では、一度にまとまった費用が必要になるため、計画的に対策を行うことも求められます。

大規模修繕工事はアパート・マンションになぜ必要?工事内容と費用を把握【総集編】

賃貸アパート・マンションの大規模修繕!長期計画策定と出口戦略を解説

アパートの修繕にどれくらいの費用がかかるかを事前に知っておきたい方は、下記の記事で費用相場も解説していますのでご活用ください。

▼参考コラム
【事例付き】アパート経営の修繕と費用相場!収益を生み出す修繕内容

【事例付】アパートの外壁塗装費用と注意点!賃貸管理会社が徹底解説

アパート経営・マンション経営で必要なメンテナンス!費用と注意点を解説

ただし、同じ貸室内の工事であっても、一定規模以上のリノベーションにかかった費用は経費計上ができません。これはリノベーションが建物の修繕ではなく、建物の資産価値を向上させるためのものと判断されるためです。資産価値を向上させるために発生した支出のことを「資本的支出」と呼び、賃貸経営に関連して計上する経費とは異なる会計処理が必要です。

▼参考コラム
アパート経営で設備投資やリフォームする理由とは?ミニマム投資の秘訣

不動産投資成功の鍵はリフォームにある! 戦略的なリフォーム投資で資産価値向上を

【事例付き】賃貸アパートの内装工事で収益改善するリフォームを解説

一棟アパートのリノベーション費用相場と注意点!収益改善事例で解説

税理士の報酬

税理士に賃貸経営に関する税務手続きを依頼した場合、支払った報酬を経費として計上できます。

賃貸経営を行うオーナー様は、毎年不動産所得について確定申告をしなければなりません。確定申告のためには必要書類を集めるだけでなく、上記で触れた減価償却費の計算や、各種所得控除・税額控除の計算を納税者が行う必要があります。

税理士は確定申告に必要な書類の作成や計算を請け負ってくれるため、申告の手間を大幅に減らすことが可能です。

税理士へ支払う報酬は、業務内容や賃貸経営の規模にもよりますが、5万〜30万円程度が相場とされています。

通信費

賃貸経営では、賃貸管理会社とのやりとりに電話やインターネットを利用する場面も多くあります。電話代やインターネット代も経費として計上できるため、毎月の支払明細はしっかり取っておきましょう。また、書類を郵送などで送った場合の送料も経費計上可能です。

ただし、一つの電話回線やインターネット回線を、プライベートと賃貸経営の両方で利用している場合は、賃貸経営で利用した分のみが経費として認められます。

旅費・交通費

賃貸経営に関連して、電車賃やガソリン代が発生した場合も経費として計上可能です。

経営方針の打ち合わせのために賃貸管理会社を訪問したり、所有物件の様子を見に行ったり、不動産会社主催のセミナーに参加したりと、賃貸経営では交通費が発生する場面がいくつもあります。

自家用車で移動した場合であれば、高速代やガソリン代、駐車場代も経費扱いになることを覚えておきましょう。

図書・新聞費

賃貸経営で安定した収入を得続けるためには、常日頃からの情報収集や投資に関しての勉強を怠らないことが重要です。

不動産市場は常に情報が入れ替わっているため、最新の情報に多く触れるためにも、業界誌や新聞の購読は欠かせないでしょう。賃貸経営の勉強するために支払った書籍代や新聞代も、会計上は経費として計上可能です。

また、不動産会社が主催するセミナーへの参加費や、賃貸経営のコンサルティングを受けた場合のコンサル代も、図書・新聞費として経費計上できます。

交際費

不動産会社や税理士といった取引先との打ち合わせや、交流会で必要になった飲食代は、交際費という名目で経費計上可能です。

飲食を経費計上できるかどうかは、「不動産投資で収益を上げるために必要な取引先との飲食かどうか」が判断基準で、一般的な「接待」に近いイメージです。

当然ですが、賃貸経営とは無関係な友人との飲み代や昼食代は、経費としては認められないため注意しましょう。

アパート経営にかかる税金

アパート経営で毎年かかる税金は、大きく分けて下記の3つがあります。国や自治体が計算する賦課課税だけでなく、確定申告が必要な税金もありますので、必ず押さえておきましょう。

固定資産税・都市計画税

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点での土地や建物、償却資産の所有者に対して、毎年自動で課税される税金です。

税額は下記の計算式で算出されますが、税率については地域によって多少バラつきがあります。

固定資産税 課税標準×1.4%
都市計画税 課税標準×0.3

さらに、戸建やアパートのような居住用の建物が建つ土地に対しては、固定資産税と都市計画税が優遇される制度が適用されます。

出典:東京主税局『住宅等に係る固定資産税・都市計画税の主な軽減制度一覧(23区内)』

所得税・住民税

個人事業主として賃貸経営を行って利益が出た年は、確定申告をして所得税と住民税を納める必要があります。

賃貸経営で発生した家賃収入から必要経費を差し引いた額を不動産所得と呼びます。不動産所得(利益)が発生した年のみ納付が義務とされていますが、利益が出なかった場合も、損益通算や損失の繰り越しを行う場合も確定申告が必要です。

所得税は、不動産所得に所定の税率をかけて算出します。正確な所得税の算出のためには、経費を正確に把握しておく必要があるという点を押さえておきましょう。

また課税所得には、住民税と2037年まで課税される復興特別所得税も課税されます。

個人事業税

一定規模を超えて賃貸経営を行う場合、個人であっても事業税が課されるため注意が必要です。具体的には、下記のいずれかに該当すると「一定規模を超えている」と判断され、個人事業税が課されます。

・一戸建てを10棟以上貸し付けている
・マンションやアパートの貸室を10部屋以上貸し付けている

個人事業税の計算方法は下記のとおりです。

個人事業税額=(所得金額-事業主控除290万円)×税率5%

上記をご覧いただくと分かるとおり、個人事業主の場合は290万円までの事業主控除を受けられるため、不動産所得が290万円以下の場合は個人事業税は発生しません。

個人事業税の納付は、毎年8月と11月に送られてくる納税通知書で行います。

アパート購入を成功に導く資金計画

ここまでの解説のとおり、アパート経営を行うには、物件の購入と賃貸経営のいずれにおいてもさまざまな支出が発生します。赤字経営にならないためにも、以下4つのポイントを押さえて、適切な資金計画を立てることが重要です。

アパート購入するなら自己資金は1~3割程度が目安

アパートを購入して賃貸経営を始める場合、一般的には物件価格の1〜3割程の自己資金が必要とされています。例えば3,000万円のアパートを購入する方であれば、300万〜900万円の自己資金を準備しておくということです。

自己資金を準備する理由は、金融機関の多くが、融資条件に「物件価格の2割程度の頭金を準備できること」を条件に挙げているためです。

頭金を準備できるからといって、必ず審査に通るかと言われればそうではありません。しかし頭金を準備することで借入金額を少なくできるため、審査のハードルが下がり、結果的に審査に通りやすくなります。

頭金を増やして借入金額を少なくすることで、毎月の返済額も減らすことが可能になります。ただし、不動産投資の観点からは、自己資金の割合を増やしすぎると投資効率が悪くなってしまうため、資金計画と合わせて投資シミュレーションも行いながら、自己資金額を決定しましょう。

アパート購入時の自己資金の目安については、下記の記事で詳しく解説しています。

アパート経営に必要な自己資金はいくら? 成功に導く出口戦略と資金計画

物件の選び方や、区分マンション経営との比較をしたい方には、以下の記事をおすすめいたします。

【種類別】収益物件からみた不動産投資の特徴!購入時の確認ポイント

賃貸マンションの一棟買いはあり? アパート経営・区分マンション経営との徹底比較

アパート購入するならキャッシュフローを意識する

「自己資金の割合を増やしすぎると投資効率が悪くなる」ということは、フルローンで融資を受ければ最大の投資効率を得られるのでは?と考える方もいるかもしれません。

確かに、借入金額を増やすことで、投資した自己資金に対して得られた利益を表す自己資本利回り(CCR)は高くなります。一度の投資で得られるリターンが大きくなるということです。

しかし一方で、返済負担率の高い状態で賃貸経営を行うと、家賃収入が想定していたよりも低くなった場合に、賃貸経営が行き詰まってしまうリスクがあります。賃貸経営においては、空室や家賃滞納の発生によって、家賃収入が途絶えることは大いにあり得ます。

アパート経営を始める際には、自己資金の額や返済負担率、得られるリターンのバランスを見ながら、慎重に資金計画を立てることが重要です。

自己資本利回り(%)=年間キャッシュフロー÷自己資本×100

アパート経営における利回りについては、下記の記事で詳しく解説していますので、しっかりと理解したうえで物件の購入を検討しましょう。

【総集編】アパート経営の利回りの目安は?不動産投資の指標と注意点

一棟アパート投資が不動産投資の成功者に選ばれる理由!判断基準を解説

アパート購入するなら出口戦略を意識する

一棟アパート投資では、購入して運用するだけでなく、物件を手放すときのことまで意識して運用する必要があります。物件をいかにして手放すか計画を立てることを「出口戦略」と呼び、出口戦略を適切に行えるかどうかで、不動産投資全体の利益が大きく変動するのです。

アパート経営の出口戦略には、下記のような選択肢があります。

・アパートをそのまま売却する
・建物を解体し、土地を更地として売却する
・アパートを建て替える

どのような出口戦略が有効かは、アパートの築年数や立地など、さまざまな要因によって異なります。一方で、アパートは築年数の経過とともに確実に価値が下がっていくうえ、資産価値に大きく影響する立地はあとから動かすことができない要素です。

アパートを購入する際には、将来的にどのような方法で売却・処分したいかを考慮したうえで、物件を選ぶことが重要です。

また、不動産投資での収益を安定させるには、運用時と売却時のそれぞれにおける「損益分岐点」を把握しておくことも求められます。

詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご活用ください。

【保存版】不動産投資の損益分岐点で着目するポイントは運用と売却!

アパート経営における出口戦略について知りたいという方は、下記の記事をご活用ください。

収益物件を高値で売却する秘訣と注意点|出口戦略の立て方も解説!

【必読】賃貸管理会社の選び方!運用益と出口戦略を見据える賃貸管理

収益物件をできるかぎり早く・高く売る秘訣|パートナー選びのポイントは?

アパート購入するなら信頼できる不動産会社のアドバイスを聞く

アパート購入や賃貸経営では、一度に大きな金額が動いたり、資金計画やシミュレーションが必要になったりと、専門的な知見が必要な場面が多くあります。

アパート経営を行う際には、信頼できる不動産会社や賃貸管理会社をパートナーに選ぶことが重要です。

不動産投資に精通した不動産会社であれば、購入時の資金計画やキャッシュフローのシミュレーション、出口戦略に至るまで、さまざまな側面からアドバイスをしてもらえます。また、購入後のアパートの管理については、空室対策に強い賃貸管理会社を選ぶことが重要です。

賃貸経営ではいかに空室を減らすか・入居者の満足度を上げるかが成功のカギを握るため、賃貸管理会社選びは慎重に行うようにしましょう。

リーシング・空室対策に強い賃貸管理会社とは?入居者募集力と仲介力から確認

信頼できる賃貸管理会社の選び方については、以下の記事をご参照ください。

【賃貸管理会社】大手と地域密着型のどっちがおすすめ?選び方とは

賃貸管理会社の探し方と6つのポイント!賃貸経営の収支を握る管理とは

賃貸経営を成功に導く不動産管理とは? 信頼できる管理会社の選び方を解説

まとめ

アパート購入時には、物件本体の価格以外にもさまざまな費用がかかるため、すべての支出を考慮したうえで資金計画を立てる必要があります。さらに運用中は、アパート経営での収益を最大化するためにも、空室対策に強い賃貸管理会社に委託することが重要です。

【リロの不動産】は、「入居者募集」「仲介」「入居者・建物管理」「設備・工事」の『4つの空室対策』に対応。アパートの購入・管理・相続・税務対応など、賃貸経営を行うオーナー様をあらゆる角度からサポートしております。

アパート経営成功は、不動産会社・賃貸管理会社選びがすべてと言っても過言ではありません。

以下のページでは、当社で不動産を売却・購入されたお客様の事例をご紹介しています。不動産投資を始める流れや成功のポイントなど、ぜひご活用いただければと思います。

アパートを購入して不動産投資を行う流れや、成功させるためのポイントは、当社のコラムでもご紹介しております。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。